
ETCについて
エクスプレッシブ・セラピーズ・コンティニュアム(Expressive Therapies Continuum)とは、アートセラピーに用いられる汎理論的モデルです。アートの素材を用いて何かを作る際、あるいは描く際、どのような情報処理が用いられているかについての見立てを行い、支援に役立てます。
Expressive Therapies Continuumの誕生
エクスプレッシブ・セラピーズ・コンティニュアム(以下ETC)は、アメリカのアートセラピストであるサンドラ・ケーギンとヴィヤ・ルースブリンクによって1978年に発表されました。既存の人間発達と情報処理のモデルに基づいて開発したこの理論は、当時あまり注目されませんでしたが、現在ではアメリカのアートセラピー教育のなかで身につけるべき素材選択やその活用に関する理論の例としてあげられるほど一般的になっています。
ETCの情報処理
ETCはアート制作に従事している際に、その人の中でどのような情報処理が用いられているかについての見立てを行い、アートセラピーの道筋を立てるためのモデルです。
ETCでは、情報処理を次の4つに分けて考えます。
○ 運動感覚/感覚
○ 知覚/感情
○ 認知/象徴
○ 創造
アート制作中には、これらの情報処理が同時に、または組み合わせて使われています。どんな素材を選び、どのように制作するかをETCの視点から観察することで、その人特有の情報処理パターンが見えてきます。そして、このパターンは、日常生活における情報処理とも関連していると考えられています。
特定の情報処理が過剰に使われている、またはほとんど使われていない場合、それは日常生活での困難と関連がありうると考えられます。ETCでは、さまざまな情報処理がバランスよく機能している状態を適応的な姿として捉えています。クライアントの問題解決のために、どこにバランスの欠如があるかを見つける手助けとなるのがETCなのです。